wee-jay

瞑想(迷走)中です。

Lasse Marhaug & Paal Nilssen-Love/STALK

9月16日にラッセ・マーハウグとポール・ニルセンラヴのDUOが京都でやるということになって非常に楽しみにしてたのですが祝日なのにまさかの出勤日になりまして…これは諦めていたのですが台風18号の影響で出勤が取りやめになったので見にいけるじゃんと嬉々としてたのですが、滋賀県の重要なライフラインであるJRが運行できる状態じゃなくて、結局ラッセとニルセンラヴも新幹線が止まって来京出来ず…滋賀県でこんなことになったのは初めてというか、JRがこの規模で止まったら滋賀県はこんなに混乱することになるなんてとライブそっちのけでビビッていたりと大変な祝日となりまして、せめてこのDUOの音源を紹介しようという気になったので書いてます。これがまた物凄い盤でして、是非聴いて欲しいなって!!

stalk.jpg
ニルセンラヴの自主レーベルから出てるやたらしっかりした紙ジャケで、ラミネートの加工がつるつるして気持ち良いです。発売されたのが2007年で、録音がそこからさらに古い2004年とのこと。それぞれの使用楽器は表記がないもののニルセンラヴが勿論ドラムスで、ラッセはまずエレクトロニクスとラップトップ、さらにSLUGFIELDで聞かれるようなコラージュも飛び出すことから恐らくターンテーブルも使用していると思う。

音源の内容はCDを再生した瞬間活きの良いハーシュノイズがスピーカーから飛び出してくる。一回の切断を挟んでやはりハーシュノイズ。ドラマーも縦ノリなビートで応じる。エレクトロニクスにより歪みきった3分のそれを聴く限り、「あぁ、このアルバムはこういうやつだな」と納得してとことん気持ち良くなろうと身を任せる。

んだけど2曲目から雰囲気がガラッと変わる。2曲目は12分の大作で、シンバルなど金物の残響が空間を作り出す演奏で、ラッセの鋭いノイズが時折耳を抉る抽象的な音響。ニルセンラヴはノイズ脈の人と絡むとこういう演奏をすることがあって、ノイジシャンの出す音のスペースを作り出すんですよね。ドラマーとして実に多彩な人で分かっちゃいるけどやっぱすごいなこの人は。

3曲目はラッセのおそらくターンテーブルから発せられる矢継ぎ早なコラージュを主体にした曲で、レコードを早回しにして切り刻まれた断片を次から次へと。ニルセンラヴもタイトなドラミングでそれに応じる。

4曲目、このアルバムのハイライトとなる曲で始まりは静かな物音。それが徐々に大きくなっていきやがては大波のようにたたきつけるような極太の音塊へ展開するノイズの桃源郷。ノイズコラージュの断絶と再生の5曲目、静かな歪みが耳を侵食する6曲目といった38分。ラッセが様々な手法で表現を、ニルセンラヴがそれに応戦したり空間を醸成するといった内容。曲が進むごとに音が深化していき、緊迫感も増していく。曲順にもしっかり配慮みたいなものがありアルバム一枚通して聴いていたい盤です。この二人だからパワーフリーに終始するのかと思いきやノイズミュージックの様々な表現をいとも簡単に一枚のアルバムにまとめられるんだから、それでいて全体の統一感は驚くほど整えられていて、これは凄いとしか言いようがない。ただ、これは10年近く前の録音ということで、今の彼らがどんな演奏をしているのか是非見たかったですね。まあまた来年くらいチャンスはあるでしょう!!

以上、台風への腹いせでした!!


Ken Vandermarkとやってるバンドの動画
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  1. 2013/09/22(日) 11:40:38|
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Jim O'Rourke/The Visitor

夏は終わったというのに劇場版のあの花を観てきましたー。僕はこの作品にはいろんな感情があるので文章にまとめるのは難しいんですけど、とにかくこれは映画化してとてもよかったと思う。新規カットも多くあるのだけど、テレビ版をさらに内省的にして、裏側を描いたりモノローグという形で心情を吐露していくということがメインで、より補完的にあの花を解釈するものでした。それに結構な時間を割いてたんだけどそれも含めて涙腺がね…
あと、エンディング後のめんまでしょう。離れないッ…エンディング後のめんまが離れねえんだよー!!あっ、エンディングテーマのガリレオガリレイ『サークルゲーム』めちゃ良かったです。ちょっと変わった構成のポップソングで、後ろ向きな歌詞や、アコギやディストーションギターさらに得意なエレクトロな展開など良いですね。久しぶりにアニメのCD買いました。
いろいろ書きましたがあの花が好きな人は映画館に足を運んで間違いないでしょう。

あと、放浪息子の原作が終わってしまいました。かなしい。



前書きはこのくらいにして本編。
Jim O'Rourke/The Visitor

もう何度も取り上げてるので特に説明はいらないマルチな音楽家ジム・オルークの2009年ソロ作品です。このアルバムは数十種類もの楽器を一人で演奏して、そのテープを編集なしでミックスしたという38分1曲の大作で、ソロからバンドへ、バンドからソロへとめぐるように展開して流れていく。今もweb上に残るジムのインタビューで製作の苦労話などが読めるので興味のある方は読んでみては。ここでは彼の昔のアルバム『Bad Timing』との相違についてがメインです。

Bad Timingは97年(でしたっけ?)にリリースされた彼のソロアルバムで、ジャケットを見れば一目瞭然なのだけど、ミラーボールが描かれている。

それから10年以上経過した2009年に再びミラーボールが現れる。しかしながらそのミラーボールは壊されている。再解釈、破壊と再生なのか(ジム自身は「批評」という言葉を使っている)?いずれにしても『Visitor』は『Bad Timing』と地続きで繋がっている作品なのでいずれかを語るとき、もう一方も引き合いに出さなくていけないと思っている。だから今回はこの2枚のアルバムの相違について書くことにしました。(もういろんな方がこの2枚のアルバムについて書いているのにも関わらず)

まず、似てるところしてアメリカーナなアコースティックギター演奏があります。どっちのアルバムもこのアコギが根底に流れている最も重要な要素となり基本である。どちらのアルバムも静かなアコギのソロから始まり、そこから世界が広がっていく。

だがもちろんオルークがそれだけのアルバムを作ることはなく、当然実験的な要素が入れられるわけで、ここの聞かせ方に違いのひとつは現れている。Bad Timingは例えば3曲目の中盤位からミニマルな1コードのアコギが続いていくのだけど、そこに徐々に高揚していくオーケストレーションのコラージュ、これがサイケな空気を醸成して行き、そこから4曲目の冒頭のノイズに流れ込む。アルバムのハイライトともいえるこの瞬間、オルークのそれまで培ってきた実験音楽の側面が表出してる瞬間である。Bad Timingは異様な緊張感、良い意味でのストレスのようなものが全体に漂っている。アコースティックギターの流れ一本を機軸としながら時間の経過とともにある地点に「仕掛け」を施した作り。
一方Visitorは後半部にミニマルなギターとピアノフレーズを散りばめた風景が浮かんでくる。しかし聴く限りそこに現れる実験的な側面は意図的に巧妙に隠されている。このアルバムは流れるように多種多様な場面に聴く者をあちらこちら引っ張っていく。その中に自然にミニマルであったりするものが表に出てくる。実験的な側面の角を上手く取っ払ったというべきか、それゆえVisitorはとてもいろんな楽器が登場しやわらかく聴きやすいアルバムになっているという印象。多分オルーク本人は難解なものを聴かせるのではなく、もっと色んなリスナーにとって聴きやすいアルバムを作りたかったのではないかな。そんな気がする。

あと、先に触れたとおりこのVisitorは数十種類の楽器をすべて一人で演奏しており、また、それらが完璧にミックスさせていて本物のバンドサウンドを聴いているみたい(僕はAbner Jayという同時演奏のブルースマンを思い出したり)。一方Bad Timingは本物のバンドサウンドで、ベースにオルークとともに活動するDarin Grayが密かにいたりと参加メンバーが実に面白い。トロンボーンはJeb Bishopだし。いずれにしてもここも違う。

どちらも優れた作品ですが、個人的には『Visitor』を推したいです。内容に触れるのはとても大変なので書きにくいですが、本当音楽的に豊穣です。一冊の優れた小説を読んでいるみたい。これぞ名盤です。こういう音楽久しく聴いてなかったなー。
  1. 2013/09/15(日) 20:00:40|
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Office-R(6)/『Mundane Occurrences and Presentations』『Recording The Grain』

はちがつは しにました


さて、この(あの)夏ど嵌りした即興演奏のグループがありまして、それが今日紹介するOffice-R(6)という人達で、ちょっとほかでは聴けないような独特な音楽性を持っている人達なんですよね。


images 13
上の黄色いほうのジャケの音源は録音が2005年と微妙に古いので手に入るのかと思ってたらアマゾンでMP3は売ってるみたいで、画像がリンクになっております。まあこれが激格好良いので普段MP3とか買わない僕ですがみんなに買えと言いたい(僕はCDで持ってます)。
下の白いジャケのほうはノルウェーの先鋭レーベル+3dBから出ているもので2008年の録音。現在でもパララックスさんやArt into LifeさんでCDで手に入る。

Office-R(6)という名称どおりメンバーは6人
Koen Nutters-upright bass, structure
Robert Van Heumen-laptop, LISA
Jeff Carey-laptop, super collider
Sakir Oguz Buyukberber-bass clarinet
Dirk Bruinsma-soprano and baritone sax
Morten J. Olsen-percussion
という2管1ベース1ドラム2ラップトップという面白い編成で、他の活動をよく知らない人達だけどパーカッションの人がMoHa!の人ですね。

そんな彼らがどんな即興演奏をするのかというと、力押しのパワーフリーではなく、かといって間と音出しを重視した静音や物音の類とも言い切れない摩訶不思議なスタイル。この二つの間を埋める…という言葉も違う。この訳の分からない音楽を何と形容したらいいのやら。。。管楽器は蛇のようにうねうねと徘徊し、ベースとパーカッションが一音を不定期に打ち込む、そしてそれらの間を縫うように2台のラップトップがひしゃげ、痙攣し、亀裂の走った電子音を挿入させる。それぞれが別の生命体のように要素と要素が絡み合って縺れ合う、と思ったら突然ねじ切られたり、再び引力によって引き戻される。当然全く先の展開は読めないし、それを可能にする引き出しのの多さには驚かされる。

簡単に音源のことも。
黄色ジャケの『Mundane Occurrences and Presentations』は約25分の短いアルバムだけど、内容は一言で言うとカオス。アコースティック楽器がうねうねのたうち回るように音を放射する中に急に映画かなにかからサンプリングしたボイスが唐突に挿入されたり、混沌さが際立っている。
一方白いジャケの『Recording The Grain』は+3dBというレーベル色を反映してか、現代音楽寄りの即興といった趣で結構間をとる展開も目立つ。しかしそれだけでなく音が引力に引き寄せられて集まってくる瞬間のダイナミズムが素晴らしい。間を取る展開も一音一音の相互性とタイミングもまた絶妙で、バンドとして洗練・熟練されている完成された印象を受ける傑作。時間もたっぷり55分。

この新感覚さ、ぜひ味わってみてください。しかし動画がねえ(笑)



  1. 2013/09/01(日) 20:20:44|
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