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瞑想(迷走)中です。

Stephen Cornford/Binatone Galaxy

お久しぶりです。一ヶ月以上ブログ放置してたらトップに変な広告出てたので更新します。久しぶりだけとあっていろんな音楽ネタを用意してるので期待しないでください!!

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今日取上げるのはイギリスのサウンドアーティスト/即興演奏家のStephen CornfordのBinatone Galaxyというアルバム。この人は以前John CageのCartridge Musicの記事にてピックアップしてまして、このBinatone Galaxyというのは彼の一番知られているサウンドインスタレーションということになる。ここで簡単にこのインスタレーションについて書いておきます。部屋を覆う壁にに28台ものカセットプレイヤーをぶら下げそれをコードでつなぎ合わせ、カセットプレイヤーの再生機能ではなく、レコーダー本体が出すアンプリファイした駆動音でレイヤーを構成するというもの。まずインスタレーションの展示ということでビジュアル的なインパクトが大きいし、再生機というものの本来の機能以外の部分にフォーカスを当てる着眼点が素晴らしい作品だと思います。

それでいてこのCDは全8曲中7曲が3台ないし4台のカセットプレイヤーを使った演奏。演奏、というよりキカイが唄うがままに任せた自主的なシステムとでも言えるかもしれない。設置はStephen Cornfordが行い、その後はただ作動させるだけ(かな?)。聴いて一番驚くのは、カセットプレイヤーの奏でる音の豊かなこと。さらにそれぞれが違う唄を発しながらも、他のキカイと有機的に絡み合い合奏を行う。ノンビートなのにリズミカル。強靭に鳴る個体もあれば、不安定に揺れる個体もある。そして予測不可能に現れる誤作動や個体自体の劣化から来るグリッチやノイズ。電子変調は一切施されてないということで、これがキカイの本当の唄であり声であるのかなと思ったり。

そして白眉はラストの10分超えの大作acoustic galaxyで、これに限ってはたくさんのカセットプレイヤーを使いそれぞれスイッチのオンオフを利用した楽曲で、たくさんのキカイがハーモニーを奏でるのは一緒だがサウンドがより構成的になっていて素晴らしい。やはり突発的に現れるグリッチやノイズは操作されている印象を受けます。これはStephen Cornfordがキカイたちをコントロールする指揮者みたいな役割を果す絵が見え隠れしています。

まあこんな感じでさくっと書きましたが僕は無類のカセット好きなのでこの作品はとてもツボでした。アナログなキカイの声は無機質だけどいろんな表情を持っていてとても面白いです。限定200なので入手困難ですがdiscogなんかで探してみては。

動画:Binatone Galaxyはこういうインスタレーションです。面白いでしょ?

Binatone Galaxy from Stephen Cornford on Vimeo.

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  1. 2013/08/10(土) 23:41:06|
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