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Jim Jarmuschの初期の映画3作品を観た

こんばんわ。

Jim Jarmuschという映画監督の初期映画三作品がケーブルで配信されてたのを観たらとても面白かったので何か書いてみます。普段あまり映画観ないので感想を短めに書いていきたいと思います。

ちなみに映画の核心部分のことを書いてるかもしれないので、ネタバレ嫌う人はご遠慮ください。すみません。


まずは、
『Permanent Vacation』(パーマネント・バケーション 1980年)
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人間は皆孤独であり、人は野心を持つことや働くことで孤独を忘れようとする。しかしこの作品の主人公はそんな生き方はできない。彼は街を当てもなく彷徨い歩くことで孤独を忘れようとする。一ヶ所に居続けることのできないそんな男の物語。

まぁ、物語といっても時間の流れ方が奇妙に感じます。男が街を歩き回ってるだけと言ったらそれまでかもしれませんが、冒頭のモノローグの表すような時間の流れが分断されているような印象を受けた。
-物語とは点と点を結んで最後に何かが現れる絵のようなものだ。僕も点から点へと移る。点と点の間に完成された物語などというものはない。-

点と点、言い換えると場面と場面の間をただ移り、その間には脈絡が希薄に感じるのです。後述するサックス奏者、ヘリの音ににおびえる元軍人、気の振れた女性、精神病院に入院してる母など。考えようによってはリアルな視点なのかもしれない。街を歩いててもいろんな人がいて場所があり、そのそれぞれの間に関係性があるのかと言われたら確かに微妙ではある。僕らは点と点を気ままに何も考えず移っていくだけなのかもしれない。

そして作品全体に漂う陰鬱な雰囲気も特徴的で、NYを舞台としているが町並みが錆びれている。まるでスラム街のように建物が崩れ落ちゴミが多く、すくられることのない重い空気に満ちている。サウンドも間のずれた不穏な鐘の音が作品を支配していたり、NYのNo WaveシーンのグループLounge Lizardsのサックス奏者John Lurieのサックスがある。あまり意味がわからなかったけど、黒人の男がパリに渡ったけど成功しなかった「Over the rainbow」のテーマの先がどうしても思い出せないサックス奏者の話をしていたシーンの後でJohn Lurieが出てきて「Over the rainbow」を吹くのだけど、1小節も吹かぬ間に崩壊して即興演奏を繰り広げると言う印象的なシーンがあったりする。エンディングも一ヵ所に留まることの出来ない主人公がスーツケースを持ってパリへ立つシーンで、船で遠ざかっていくニューヨークの町並みに例の鐘の音とサックスで吹かれた「Over the rainbow」と表示されるスタッフロール。きっとパリに行ってもなんら変わらない漂流生活を繰り返すのを暗示するかのようなラストである。

僕の旅は終わらない休暇のようなものだ。


もっと簡潔にするつもりが長くなってしまいました。もっと短く書こう。
次は、『Stranger Than Paradise』(ストレンジャー・ザン・パラダイス 1984年)
201101090042436a3s.jpg

パーマネント・バケーションはカラーだったけど、これは白黒映画です。パーマネント・バケーションは話の筋が抽象的だったけど、これはとてもわかりやすい。こんな比較はあまり意味を持たないと思うけど、作風は前作と今作では違ったものになっている。

あらすじ書くと長くなるから大筋だけ書くと、三部に分かれていて、一部祖国を捨ててニューヨークに住む男のもとに、ハンガリーからいとこの女の子が転がり込んでくる。二部はクリーヴランドの叔母のところに経った女の子に友人と共に尋ねる話。三部は祖母の反対を押し切り女の子を連れてフロリダへバカンスへ行く話。全体的に淡々と進んでいく。

簡単な感想を。一つの台詞にドキッとした。詳しくは忘れたが大意は「どれだけ遠くへ行こうとも、結局はどこに行っても同じことだ。」ということで… 全くその通りだと思う(笑)どこまで行っても同じ景色に見える。どれだけ遠くへ行っても、自分が自分である限り何も変わらない・・・ 救いがないね。作中の三人も、いろんなところに行こうとして、結局どこに行ってもうんざりしている。

さて、主演は前作にも出てたJohn Lurieで、相方役は元Sonic YouthのドラマーRichard Edsonということで驚き。こんな配役にジム・ジャームッシュときてるからサウンド面も凝っている。といっても劇中に使われる音楽は二つだけ。チェロの印象的な弦楽器の4重奏の曲と威勢のあるヴォーカルが格好いいJay Hawkinsという人のロックンロール。それ故登場機会が多く非常に印象的。


最後は、『Down by Law』(ダウン・バイ・ロー 1986年)
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この作品にもJohn Lurieがチンピラ役で出演し、元DJの役でトム・ウェイツが出てくる。これはびっくりした。簡単なあらすじは、それぞれ仲間(?)に計られてニューオーリンズの刑務所までしょっ引かれた元DJのザックとチンピラのジャック。話したり喧嘩したりして時間を過ごすうちに英語が話せないイタリア人のロベルトが二人と同じ牢にぶち込まれる。三人で馬鹿やったりするうちにロベルトが脱獄を提案。簡単に成功するも色々大変な道のりを行くという話。ちなみにこれも白黒映画。

この映画、今年観た中でもかなり面白い映画だった。このストーリーだけでも実に面白く観れる。しかし、最も良いのはイタリア人のロベルトだと思う。彼が如何に良いのかは映画を観てもらったほうが早い。二人のアメリカ人を飲み込んでしまうくらいのキャラの良さがあり、彼を中心に話が動いていく。

最も印象に残るのは獄中で馬鹿をやるシーンで、"I Scream, You Scream, We All Scream for Ice Cream"とまさに叫んでるところで、刑務所全体に広まるんだけどこれが面白くてこっちまで笑ってしまった。こういう状況下にいるからこそ出来る馬鹿かも知れんけど、やっぱ馬鹿ほど面白いものはないと再認識させられた。

ところで、映画の途中、沼地をカヌーで移動するシーンで、またもや「どこも同じに見える」という台詞が出てくる。この台詞は、ある意味三つの作品の根底に流れるテーマのようなもので、この三つの作品でジム・ジャームッシュが最も言いたかったことなんじゃないかなぁと思ってしまう。『パーマネント・バケーション』の主人公はパリに行っても結局はなんら変わらない放浪生活を続けるだろうし、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の三人はどこ行っても結局はうんざりしている。。。『ダウン・バイ・ロー』の三人の脱獄囚は最後それぞれの道に分かれていく。彼らが結局どうなったか誰も知らない。

とまぁこんな感じの三作品でした。中でも一番お勧めなのは『ダウン・バイ・ロー』ですね。ジム・ジャームッシュはミュージシャンの起用が多い監督で、世界も独特の陰鬱感やユーモアがあって素晴らしい。次は『コーヒー&シガレッツ』でも観ます!!

それではまたー。

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  1. 2012/11/12(月) 14:14:18|
  2. movie
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

映画感想 -Reservoir Dogs-


冷たくなって行く大気、長袖を引っ張り出す、何処からか湧いてくる焦燥感…10月ですねー。今年は中秋の名月見れなかった、残念です。それでこの動画です。この歌昔から好きで、村上春樹氏の『1Q84』読んでまた好きになりました。台風で月が見れないこんなときには音楽聴くか映画観るに限るので誰かオススメ教えてください(^^;

一ヶ月くらい前に観た映画の感想。普段映画あんまり観ないので、感想を文章にする訓練積んでない…ていうかそもそも映画の見所が素人なんでただの思ったことの羅列になります。クエンティン・タランティーノの処女作『レザボア・ドッグス』という犯罪映画がかなり良かったです。ぜひ円盤で持っておきたい作品でした。音楽記事と違ってネタバレなどを気にしなくてはいけないと思うのでストーリー説明はカットします。あえて言うなら強盗に失敗(?)してアジトにちりぢりで逃げ帰ってきて、なぜこんなことになったのか、だれかが警察のスパイに違いないと疑うという筋ですね。
           130373519427016228559_Reservoir-Dogs_400.jpg

このカット格好いいですよね~。これはオープニングより前の冒頭のレストランで朝食を採っているシーンで、映画の本筋とはまったく関係ないことをグダグダと喋ってる所です。会話の内容はマドンナのヒット曲の歌詞の解釈であったり、チップを払うことについて。本当何処でもやられてそうな他愛もない会話ですが、こんな部分の凝りようがまず半端なかった、内容が濃く細かいんだよ。どうでもいいことを超真剣に意見を交し合ってる場面にこんなに尺を取ることもすごい。でも、この一日限りのチームなんだよね。

全体的に狂気に満ちているのも良いところで、ラジオでイノセントな音楽聴きながら拉致してきた警察官にガソリン撒いて耳を切り落とすところなんかやってることとラジオの内容が天と地くらい差があって滑稽です。

あと、主人公と言ってもいいある登場人物(スパイ)の台詞。
「大丈夫だ。やつらには何もバレちゃいない。俺はスーパークールだ。」
と鏡に向かって自分に暗示をかけるように言うところの緊張感。見てる側にも伝わってくる。この状況が理解できたあとは映画の残りを彼の視点で物語を追ってしまうのだけれど、もう映画を観るというより彼とと一心同体になった気がして、彼の感じる緊張感を100%こちらも感じてしまう。

後半、スパイの経緯(過去)の描写で、どんどん時間軸がスタート地点に(アジトに逃げ帰ってきたところ=現在)引っ張られていき、そこに到達してから最後のクライマックスへ雪崩れ込む展開に鳥肌が立つ。これは、犯罪「後」の物語で全体が静的だったからかもしれない。静かなところからダイナミックでアクショニズムなクライマックスへ流れ込んでいくのが興奮になるんだと思う。例えば音楽でもポストロックなどに多い静から動の転換(あるいは動から静)に耳が反応してしまうのと同じ原理ですかね。

それにしても登場人物の一人が最後スパイをかばうシーンは状況だけみたらすごい滑稽だなぁって。しかし悲しいまでに自分の信じていたことが的外れだった事に気づき、絶望に包まれながら誰も救われない終わりを迎える。このことを何て言えばいいのかな…とにかくきつい内容だよね。

まぁ、この中に一人、スパイがいるって感じで観たらとても楽しめるんじゃないかと思います。未聴の方は是非どうぞ!!
  1. 2012/10/01(月) 01:13:20|
  2. movie
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